柑橘梱包 the ed_bowz book Vオレンジ 1987/07 〜 1992/08
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真夜中の旅立ち

 少年は昼に約束した。
「一時から一時半におまえの家に行くからな。」
 少年は勉強したふりをし、家族をだまし、一時にふとんに入った。しかし、五分もしないうちにこっそりふとんを出て、いかにもねているのをわかるようにふとんをふくらませ、足音もたてずに立った。そして、かるい足でこっそりと歩き、玄関まで達した。  ドアのとってに手をかけ、がっちりとにぎり、かぎの部分に…。カギを動かすときにいやな音がする。そして、ゆっくりゆっくりと、“あとちょっとでカギが開く”と考えたとき、そのときであった。
 少年の額に汗がみなぎり、心臓はドキッドキッとやけにさわがしい。このねしずまった部屋に「ガチャーン」と大きな音。「やばい!」と少年は思った。しかし、この状況はだれにも気づかれなかったらしい!!
 少年はついに出た。外界というものがこれまでに広く感じたことはない。いま少年は新しい旅へとたっていった。
 イスカンダルまで行かねば、地球はやられる。そこまでの距離、プールが二十五mだから、それから推そくした距離、二百mぐらいであろうか?
 とにかく少年はかいほうされ、走った、走った、走っていった。
 イスカンダルが見えてきた。メインストリートのろじをちっと曲がり、じゃり道へ。ここまでは来たがdogが恐い。
「よしここはドイツ兵になろう!」少年は思った。
 身をかがめ、dogの死角へとにげこむ。やった、dogはほえなかった。少年は、家のうらへと進んでいく。自分の息ずかいがわかる。やったここまで来た!! あかりもついている。「おきてるな」ガラスを三回たたき…おきない、窓をあけて…アッ、ハプニングだ、あかないぞ!! なんでだ、ちくしょう!!
 あのやろう、約束がちがうぞ。しかたがない。少年は一人さびしい家路についた。
 ドアをあけ、やけくそになった少年はしんちょうさをわすれてしまった。ドアをあけ…音、くつをぬぎ…音、カギをかけ…音、歩くたび…音、やけくその少年はもうまわりの状況はどうでもよかった、But!! 少年の父が小便のため、歩みだしたのだ。少年は「やばい!!」と思い、いそいでふとんに入るため身をころがせた!! 少年は「畜生!!」と思い、その少年の目にきらりと光ったものがあった。


 その日の昼、聞けばなんと外国へ行き留守だったときいてビックリした! 「今夜もちょう戦しよう!!」そのとき少年が思ったことだった。
 ついに夜がきた。ジョーで時間をつぶし、ついに一時に。
「おやじの小便がいちばんこわい」少年の感想だった。
「しかし、やるしかない!!」それも少年の考えだった。
 少年は再び自分を別世界へとおどらすのであった。こんどもあのカギの「ガチャ!!」が鳴ってしまう。
「これをなくす手立てを考えねば!!」と考えつつ、少年はイスカンダルへと向かった。昨日、あかりがついていた家がきえ、別の家にあかりがついている。
「今夜やってるのかなぁ、俺も早くやりてえなぁ」と考えながら、メインストリートもこえ、ろじもこえ、dogの所へ、ホエタ!! なんとホエタ!! やばい、スピードでごまかさなければと考え、家のかげへ。しずかだ、余りにもしずかだった。
 窓もしまっている。手をかけた、デュフフ…あいている。少年はしずかに、しずかに窓をあけ、体をのり出した…。
 ねている。やったゼ、ねている!!
 手を入れた、何かやわらかいものにさわった…けつだ。たたいてやった、反応なし。
 別のものにさわった…つねってやった「イテッ」と言った。また、けつにさわった。ぬがせて、たたいた…さむがっている。○○○にさわった。こうふんしない「こいつインポだ!!」 もう一度つねった、おきた…「ンン…」と言っていた。
「タニ、タニ、オイ…」
「なぁーに」
まだまだ、ぼけていた。俺が俺とわかったとき、
「本当にくるんだもんよぉー」と言っていた。

 話は進み、ブルーアイランド救出さくせんへと向かった。
 金森山がやけにこわい。まっくらだ。境川はかろやかでうつくしい流れをやめない。心がおちついた。
 うらからブルーアイランドの家へ向かったが、二階に行くにはきけんすぎ、あきらめて帰ってきた。
 帰りはつまらなかったので、大貫のだがし屋の前の自動はん売きの表しを見て、帰っていった。

 二人の少年の物語であった。

THE END

タンメン(旧題:名もなき人)

 はいみなさま、おはようございマス。私はユウレイでございます…。
 ユウレイと一口で言っても、あの二十世紀後半に栄えた村上説のじばくれい、ふゆうれいといったこわいものではゴザイマセン。
 ワタシは店先でよく売られていたユウレイです。
 ワタシは人の人生にくっついて行く…といったしゅ味をもちます。
 この日もそうでした…。一人の少年が父親らしき人の後を追い、家を出ました…。早朝の五時半でした…。

「一人の少年が家から出ました。階段を下ります… アッ! 前に大男が!! この少年のおやじのようだ…。何かしゃべっているぞ!! きいてみるか」

「あれからずっと起きてたのか…」
「うん…」
「ねむいだろう…」
「うん…」

「この少年、てつやしたらしい…。しかしこの大男、どんな仕事してんだろう…、朝、帰る職業なんて…ドロボウか?… この二人、どこへ行くのかな、なんか知らないところだけど… アッ! 車に乗るみたい、ヨシ、俺もついていこ!! どこ行くのかなぁ… ラジオを少年がつけた… アッ、ソウダ、この少年ののうの中に入ってみよう!!…」

「コレガコノ少年のノウの中か、スッカラカンだなぁ… アッ、アソコにノウミソのようなものがある。食べてみよう!! “グチャギチャ” 何だ、頭の中から聞こえたぞ『SEXしたいなぁ!! ガンダム2哀々戦士たち… ゾンビーグ、魔界……。』

 アーッ、ウルセェイ!! コンナのいらねえや、すてちゃえ。
 オヤ? マワリから何か聞こえるぞ、『朝からこんな難しい放送聞けるかよ!!』 アァ… ラジオの事か!! だろうなぁ… 『オヤ? 立ってきた』 何がかなぁ…。別の感じの音が入ってきたゾ、何んだ、横でうんてんしている大男の声だ… 何だかゴチャゴチャいってるなぁ… 『ウルセェなぁ… コッチはねむいんだから、あまり話しかけるなよ』 フフン… 俺と同じことを考えていやがる…。」

「アッ!! アレッ!! オレ今までねてたのか…。この少年の頭の中はねむっていたから、それに影響されて、俺も知らない間にねむっちまっていたゼ!! オヤ、車から降りるみてェだ。今、立ったな! 『アレ、うまく歩けない! 何かフラツク感じだなぁ』 何言ってんだい!! オヤ、目の前に何か中華料理店があるゾ、入るのかなぁ!! 『ついに来ちまった、うそみてぇ、早くくいたィナァ…』 店の名前は“十八番”この少年が思ったから、俺も知らないうちに知っちゃたョ!! デュフフ…。
『何にする…。』あの大男がこっちに話しかけていやがるゼ。『タンメンも一度くってみたいけど、何かオムライスからはなれると、オムちゃんがかわいそうだしなぁ… どっちにしようかなぁ… ヨシ、タンメンだ』
『タンメン』外界に少年の声が響いた感じだが…。


オッ、この少年の過去が、このノウの中の前のスクリーンに映し出されるゾ…。コノ店は大男のスイセンのようだ…。オヤジはいつもタンメンばかりくっていやがる。ウマイらしい…。
 いつだ、オッ! この少年がまだ、四、五才ではないか…。
 この少年、オムライスがLikedらしい。ソシテ、タンメンは、量が多いとトナリの女が話かけている… ソウカ… この少年…、コレデ自分では食べられないかなりの量だと思いこんだわけか…。シカシコノ人々はよくこの店にくるなぁ…。トクに大男がハタライタあとによくきてる。大男はタンメン、この少年はオムライス、いつでもだ…。オヤ、急に場面が変わったゾ、引っこししたのか…。又、ココダ、オオ…!! コノ少年がモロにでかくなった…。去年ラシイ…。しかし、オムライスだ…。ソシテ今日にいたっているのか、一年ぶりにきたのか…。ソレニシテモこの少年はタンメンを選ぶなんてなかなか、いい根性をしているなぁ…。
 この少年もオムライスからタンメンになったのか…。オヤ、オレの目から涙が、まさか… でも、いい話だ…。
『タンメン、二つ』大男がさけんだのが、食券売場から聞こえたゾ… まてよ、ここ食券うってなかったけど、やっぱり食券売場っていうのかなぁ…。コノ少年、タンメンをくうことがやはり恐いらしい… 冷や汗をかいている『食べきれるか… 食べきれるか… 食べきれるか… アァ… どうすれば…』そんなにこわいのかなぁ。
 オヤ、止まったゾ『デュフフ…』かわった少年だなぁ…。『これは面白い。この時間だからなぁ…、しかし面白い。』客を見ているらしい。本当だ、面白い…。キャバレーからホステスを引きつれて話を大声でしているのが二組いれば、てつやの労働で疲れきった老人一人に、中年多数…。みんなチラッチラッとこっちを見ていやがる…。この時間にこんな少年がくるのはやっぱりおかしいものなぁ…。しかし、どの客も変な人生を歩んでやがるゼ…。
 オヤ、店のオバサンがタンメン二つ運んできた…。『はやいなぁ…。色、余りきれいとはいえない。うんこに小便いれて、にたのと、ふつうのタンメンを五〇%ずつにした感じの色。味、スープから『ウマイ!! 感激!!』『どうだ』大男だ。少年は外界に『ウマイ!!』の連打していやがる。『メン、あつい!!』最初に思ったにしてはスープの味がよかっただけに…『おぉ、ウマイ』
 いいなぁ、俺はユウレイだから何にもしなくてらくだけど、人間界には“食べる”ということがあってうらやましいョ、オレタチには“食べる”がないんだヨナァ…。シカシ、コノ少年、かなり歓げきしてるゾ、シカシ『アツイ、アツイ、ウメエや』の連続だ。『ふつうメンてフーフーって息ふきかけるとすぐ熱がなくなって、くえるのに、このメンは、息をふきかけても全くさめねぇんだよなぁ』ナゼダ?『ヤハリ、油のせいかなぁ』ソウカ、サキホド少年は思いわすれたが、このタンメン、油がギンギン、そのたメにメンも熱がのりきってサメないのだろうなぁ…。
『オヤジ、顔、マッカにしてやぁんの! でも、もうくいおわっていやがる』さすがだなぁ、少年はまだ1/4はのこってるゼ、デモ、コノ少年には『ウマイ』という言葉とともに何なく1/4を食べてしまうだろう…。オレもくってみたい…。くいたい。ゼッタイ食べてやる…。」

 このユウレイは少年のノウから脱け出し、産婦人科へ向かった…。

「オギャー! オギャー!」

THE END

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