放蕩感銘 「書籍」その他、諸々お薦め作品を紹介していきます。
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年明け3冊 ビートたけし・立花隆・藤原新也 2007.01.26(FRY)
Beat Takeshi/Takashi Tachibana/Shinya Fujiwara

今年に入ってから読んだ3冊、どれも大当たり!

○達人に訊け!/ビートたけし
大学教授から町工場代表まで、10名の達人達との対談集。別出版社での前回も面白かったし、たけし自身が聞き手になることも余り無いので、その展開も面白い。中でも最高だったのは“寄生虫の達人”! “現代のキレイ好きは良くない!”と警鐘を鳴らす大学教授なんだけど、もう素晴らしい発言がある。「バイ菌が汚いと言ったら、セックスほど汚いものはない。大体おしっこが出るところを触ったり色々するわけでしょう。他人のボールペンが汚いって言ってる人は本当のセックスなんて出来ないんですよ」。名言である。で、この先生、寄生虫研究の為に自らサナダムシを呑んでいて、“五代目のマサミちゃん”なんて命名までしちゃっている。GHQに駆除されてしまった寄生虫と日本人の文化。その必要性を熱く語っています! 一線の大学教授の先生達って、みんなこういう感じ/何か共通の子供の匂いがあるんだよなあ…。

○イラク戦争 日本の運命 小泉の運命/立花隆
滅茶苦茶、良かった! マクロとミクロ。主に経済学で使われるその尺度を用いて、近代の歴史という時間軸の対比から、現代を紐解く内容。2004年の本で、当時は手に取らなかったけど、結果その内容が正しかったことを証明されることにもなっていて、その近過去との対比/分析が、非常に興味深い。特に今でも地続きの話題/課題である憲法改正など、その分析力は凄まじい。日本という近代史を全く知らなかった自分自身に気付かされた本。凄い仕事だと思う。歴史検証の文献として残るでしょう、この本自体が。

○黄泉の犬/藤原新也
ここへ越して来てから、本屋、CD屋の不自由さは、もう本当に困り果てていて、この本もずっと探し続けていたのに、中々見つからず、やっと年明け入手した次第。諸々過激なネタも含まれており、出版社側が抑えてたのでは…、ってな推測もあったんだけど、読んでみれば、「え?」ってな感じ。別に本題はそのことじゃないじゃん! すっかり向こうの裏ネタが中心かと思ってたんだけど、全然違ってました。周りが騒ぎ過ぎ。自主規制(出版社ね)することも無く、いつもの藤原新也よ。
(因みにそのネタ自体、周りの皆は知ってたよ。勿論噂レベルだろうけどね。つまりそれがネット社会な訳で、俺は知らなかったんだけどさ…)
で、本自体の感想。藤原新也のサイトの方でも、もう別の段階(年齢的)に達したのだから怖いもんは無いぞ、とか書いてあったけど、確かに解禁/別モードに突入したのかも知れない。小説の頃より思っていたが、確実に文体が変わってきている。前回の『渋谷』では意図的にそうしたのか、と思っていたが、もうこのオヤジ、完全別次元での創作に入ったんだな、と感じた次第。だって名前を出さず、コレを読んだら、村上春樹って言っても通る文体だぜ!
で、内容的に面白いのは、若い頃のやんちゃ度合いのことなんだけど、結局俺達と変わらないぜ、ってなことなんじゃないのかな。メディアを通すことによって生じる無意味な誤解を、現在のやんちゃ度合いを通して、ダイレクトに若い世代に伝えた本なのだと思う。アンタと何も変わらんのだよ、てなさ。

ISBN4-10-381217-6
ISBN4-06-211158-6
ISBN4-16-368530-8
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