ガス・ヴァン・サントである。 アンディ・ウォーホールの弟子(?)である。
商業映画もきちんと撮れる人なのだが、ここ数作実験映画が続いている。
前作の『エレファント』は本当に素晴らしかったのだが、前々作の『ジェリー』はぐっすりと眠らせて頂いた。
で、今回の『LAST DAYS』はその間に位置するような作品で、別に作りたいもの作ったんだろうから、それはそれで良いんだろうけど、ニルヴァーナ/カート・コバーンに興味無い人が見たら、明らかに『ジェリー』だよ、コレ。
逆に『ジェリー』の事件に一切の興味が無かったので、俺はそう捉えたんだろうけど、予備知識を必要/必須とする映像って映画と言うのかね?
そのテーマ/題材を四苦八苦して第三者へ提示するのが、制作者側の実力だと思うのだが、いきなりそこを放棄するっていかがなものなのか。とは言え、その発想自体が意図的な訳で、シナリオさえ放棄しちゃってるからね。良い悪いの判断はあくまでも観客次第ってな、ある意味こちら側に挑んでくる作品。
ってな状況…、なんだけど…。 メーキング映像での、役者、スタッフ達の満足具合が尋常ではないことが、非常に気になってしまう。加えれば、映像自体の美しさに魅かれたことは確かに否めない事実でもある。
なので、新しい製作/制作手段を模索してることは評価するけど、劇場で金払わなくて良かったな、というのが正直な感想かな。
ニルヴァーナ好きが観ても何も語れないし、語らないよ、この映画。
そういう意味ではニルヴァーナ・ファンには辛いよ、とか書きながら、ふと今思う。
確かに、こんな虚無感だったのかもしれない…。当時が蘇り…。んん〜。
因みに何も感じられなかったけど、この作品はカート・コバーンのことだけではなく、エリオット・スミス、リバー・フェニックス等、その状態の連中全体を描いてある“物語”であるとのこと。と語るそれ以前に、全く“物語”になっていないと思うのですが…。
悪い映画じゃないけど、本当に興味ある人以外には、辛い映画だと思います。