『ビッグ・トラブル』を観る。一番好きな監督ジョン・カサベテスの遺作である。といっても脚本を書いている訳ではなくて、職業監督的な要素が強い作品(なので、カサベテス最後の作品となると、やはり『ラブ・ストリームス』となる。最高の映画!)。
この作品、途中まで観てつまらなかった記憶があったんだけど、観てなかったのかな? 今回すんなり観れました。俺は好きだけどロザンヌ・アークエットが酷評してた「マドンナのスーザンを探して」みたいな小品。まあ特別映画としての目新しい要素は何も無いし、演出含めてそりゃねえだろ的な部分も多々あるんだけど、そんなことさえ気にならない軽めの映画。
面白い脚本あるから作ろうぜ、みたいな程度の話だったと思う。ピーター・フォークが「カサベテス、空いてるんじゃねえか?」程度のオファーだったんじゃないのかな? どういう経緯/意識でカサベテスが受けたのかが気になってしまう。
内容も演出も全くカサベテス色は感じられないけれど、初期の初期、ハリウッドの王道スタイルでも撮ってた人なので、この程度では驚かない。なんだけど、撮影時、果たして自分の死を意識していたのかどうか、その点が非常に気になるのだ。
保険屋と詐欺師達の話で、結果計画は失敗。だけど何故か全体としてはハッピーエンドとなり、その被害者の主人公へ詐欺師が懲りずに誘う。これからも組んでやっていこうぜ、これからだよ!的なラストシーンを迎え、クレジットが流れ初める。で、最後の最後、画面が真っ暗となり現れた“not the end”! この映画、最大の見せ場である。深い。
なのでまた、改めて色々と考える…。
余談だが、DVDの邦題が『ピーター・フォークの ビッグ・トラブル』から『ジョン・カサベテスのビッグ・トラブル』へと変更されていた。果たしてカサベテスはどんな感想を持つのだろう?