銀幕巡礼 劇場で鑑賞した作品やビデオレンタル等、映画に関する様々な情報です。
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ゴジラ対ヘドラ 監督:坂野義光/1971 2007.09.28(FRY)
GODZILLA VS. HEDORAH/directed by Yoshimitsu Banno

いやあ〜、良かったあ! 『ゴジラ対ヘドラ』!

怪獣映画なので、当然諸々云々はあるんだけど、以前書いたオープニングのそれ/『かえせ! 太陽を』の、何と本編自体もそのままの、ドラッグ/サイケデリック・ムービーだったのである!

対象は公害/ヘドロなので“ドラッグ”というニュアンスではないんだけど、見事な迄のサイケデリック感! ちょっと感動してしまいました!

オープニング。まず感じたのは乾いた台詞のやり取り、その“小津”っぽさである。で、その数分後には“北野”っぽさを感じたんだな! もう、変なエネルギーでぐいぐい引き込まれる! 確かにあの訳のわからない設定や構成を突っ込んだりしたら、それはキリが無い! だけど、そんな負の要素を飛び越え、圧倒的な空気感に満たされているのだ!

ヘドラ…。金属を含んだヘドロである。正直、着ぐるみで表現するには難がある。というか悲しい…。デザインも然り…。が、しかし! これを現代の技術で捉え直して貰いたい! キャメロンよろしくCGでの表現には最適な素材なのである! この作品、(映画技術的に)時代を早く捉え過ぎたのだ! 現代リメイクに最適な映画なのである! その時は是非、麻里圭子/富士宮ミキ役を、真鍋かをりでお願いしたい! 着ぐるみこそ悲しいが、階段を流れ込んでくるヘドロの演出など、その技法は正に見事である!

その演出の裏打ちを軸に、モンティパイソンを思わせるアニメーションの導入や、詩による画面構成! もう諸々シュールな世界が広がっていく! とにかく尖りまくり! 日本映画のドロ臭さと別の次元で、突き抜けてしまっているのだ!

そればかりではない! 煙を吸い込むヘドラの眼…。主演賞をあげるべきだ!

怪獣の戦いを目の前で見つめるカップルのシーン。怪獣カットと人間カットを対比させているのだが、その設定距離からいって、あり得ない空の色の違いで構成されている。通常こんな馬鹿げた繋ぎはしない筈なのだが、それを意図的に感じてしまうこのパワー! それを無条件に成立させてしまうこの世界感こそ、この映画の魅力なのである!

当時の若者文化としてのヒッピー表現。子供心にうっすらと覚えているのだが、その登場人物達は常に悪者や弱者のイメージであったのが殆どだった筈である。だが、この映画では一切そのような描き方はしていない! 逆に中心に据えられているのだ。その設定の意味は世相としては理解できるが、ドラマとして考えると本編の流れとは全く噛み合っていない…。が、とにかく中心なのである! これはこの監督の身近な世界が、子供向け怪獣映画と混ぜ合わせた結果なのだと想像できる、そう勝手に納得しよう!

監督・坂野義光(ばんの・よしみつ)(←“よしみつ”だあ〜!)の処女作品!
予告編には「新鋭!」というコピーが謳われていたが、正しくその通り!
1931年生まれの1971年作品だから、40歳の時の作品なのだが、作品の印象としては、もっと全然若い! 25、6歳のエネルギーに溢れている!

で、その謎のヒッピー(ではないよ、もっとロックだよ!)である中心人物(麻里圭子&柴本俊夫/現:柴俊夫)達。彼らによって、凄いことが起こるのである!

富士を舞台にフェスを企画するのだ! 『百万人ゴーゴー計画』!!!!
結局100人弱しか集まらなかったけど、松明を囲んで踊るアレは『朝霧JAM』そのものなのである!!!
つまり、当日俺達はヘドラにやられるんだ! 松明を投げて戦うんだ! がはは!

ライブハウス(当時はそんな呼び方はしなかった筈だけど…)のシーンは、日本映画史上、屈指の名シーンであり、武田久美子はまだ、3歳である!
楽曲は勿論、バンドが素晴らしく、ジャックスを想像してしまったりした!

繰り返される『かえせ! 太陽を』! クレジットがやっとハッキリした!
http://kyoto.cool.ne.jp/666_monster/songs/01k/14-vs-hedora/
英語版→http://www.godzillatemple.com/godsongs.htm#save

詞は監督・坂野義光自身である! この前来てたオヤジだ! 四国出身なんだ!
http://ww5.enjoy.ne.jp/~moririn/ybanno.html#directer

曲は全編を担当している眞鍋理一郎! 不協和音の人らしい! 昭和のソニック・ユースなのか!
http://www003.upp.so-net.ne.jp/johakyu/manabe/manabe-index.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9E%E9%8D%8B%E7%90%86%E4%B8%80%E9%83%8E

それぞれが黒澤・伊福部という巨匠と微妙〜に絡んでいたりするのである。

編曲:高田 弘(←「ジャックス」と結びつけたんだけど、全く関係ありませんでした…)

「ハニー・ナイツ」ってのが、これまたビビッタ!
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%84
「シルバー仮面」、「帰ってきたウルトラマン」、「妖怪人間ベム」の、「スカイヤーズ5」に、「スペクトルマン」! 加えて「オー・チンチン」!!
※ベムを除き、シングル盤、全部持ってたぞ!

と、どうも情報が引っ掛からない「ムーンドロップス」が、あのバンドのことなのかな? 滅茶苦茶、カッコ良い!

で、肝心の麻里圭子(まりけいこ) さんの現状もビックリ!
http://blog.livedoor.jp/tokyorio/archives/51174044.html
http://blog.so-net.ne.jp/mari-mari/
http://blog.so-net.ne.jp/mari-mari/2007-01-14

とにかく、ゴジラ映画として、一番好みなのかも知れない(幼少時の記憶があるので、好きとは違うんだけど…)。 ゴジラが一番、脇役に追いやられている映画としても捉えられるのではないか。

以下、シンプル且つ重要な情報満載で解説されています。
http://plaza.rakuten.co.jp/itoyaonline555/diary/20070803/

とにかく、一見の価値アリの映画です!

レンタルにて
Careless Talk (Instrumental) by Careless Talk    音は別バンドみたいだけど、これが歴史に残る名シーンだ!   
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